第3話【AIとゆっくり解説】上司からの法令違反の指示に直面した際に知っておくべき心理学の理論15選

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第2部:群衆の中で個人が消えるとき

このセクションでは、集団の心理が個人の判断にどう影響し、不正に加担させてしまうのかを深掘りします。

4. 責任転嫁と権威への服従

哲人928号アバター
哲人928号:

では、4つ目の理論「責任転嫁と権威への服従」の解説お願いします。

AIさんアバター
AIさん:

前回説明した「傍観者効果」の「責任の拡散」とも密接に関係するのですが、「権威への服従」と「責任転嫁」を説明します。

哲人928号アバター
哲人928号:

あ、「権威への服従」と言えば「ミルグラムの実験」ですよね。

AIさんアバター
AIさん:

そうです。ミルグラム実験では、被験者が「権威の指示があるから」という理由で、自分の行動の責任を“権威”に委ねてしまうんです。

哲人928号アバター
哲人928号:

つまり「自分がやったわけじゃない、命令に従っただけ」という意識か…
やはり、私自身が常に持っている意識と思う。

AIさんアバター
AIさん:

はい。そしてこれが職場での違法行為にもつながります。

「上司の指示だった」「決裁をもらっていた」「会社の方針だった」など、責任を外に置くことで、自分を“免責”してしまう。

哲人928号アバター
哲人928号:

これは、本当に怖い構造ですね。
だって、自分の行動の責任を感じないまま、重大なことをやってしまう。

AIさんアバター
AIさん:

だからこそ、「命令されたから」といって思考停止にならず、「自分の判断としてどうか?」を問い直す力が必要です。

哲人928号アバター
哲人928号:

ミルグラム実験は、単なる実験の枠を超えて、実社会の“恐ろしい現実”ともリンクしていますよね?

AIさんアバター
AIさん:

そうです。たとえば、2003年に発覚したアブグレイブ刑務所での虐待事件では、アメリカ兵が捕虜に対して非人道的な行為を繰り返しましたが、背景には「上官の命令だから逆らえなかった」という構造がありました。

哲人928号アバター
哲人928号:

恐ろしい…。
まさに「命令されたからやった」という心理が、現実の惨劇につながった。

AIさんアバター
AIさん:

企業でも同様です。

部下が「会社の方針だから」と従ってしまう不祥事は後を絶ちません。

権威ある人の指示に対して、自分の良心や判断を思考停止させてしまう。それが“権威への服従”の怖さです。

5. 認知的不協和理論

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AIさん:

次は、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した「認知的不協和理論」です。

これは、人が「自分の行動」と「自分の信念」に矛盾があるときに、不快な心理状態になるという理論です。

哲人928号アバター
哲人928号:

「これは法令違反だ」と思いながらも、従ってしまった場合…
「これは仕方なかった」「自分のせいじゃない」と、あとから無理に自分を納得させるようになるってこと?

AIさんアバター
AIさん:

まさにその通りです。人は矛盾を抱えたままではいられないので、思考や信念の方を“都合よく書き換えて”しまう。

哲人928号アバター
哲人928号:

やっかいですね…
自分の良心をごまかしながら、だんだんと“不正への耐性”が高まってしまう…

AIさんアバター
AIさん:

ええ。それは「自分は正しいことをしている」という感覚を保ちたいという、防衛本能の一種でもあります。

6. 責任の希薄化(集団思考と共犯者意識)

AIさんアバター
AIさん:

次は、アメリカの社会心理学者アーヴィング・ジャニスが提唱した「集団思考(Groupthink)」、そしてそれに密接に関連する「共犯者意識」について解説します。集団思考は、集団内で意見の対立を避けようと、不合理な意思決定をしてしまう現象を指します。

哲人928号アバター
哲人928号:

「みんながそう言ってるから」とか「波風立てたくないから黙っておこう」っていう心理ですね。責任がみんなに分散されるから、個人の責任感が薄れてしまう。つまり「誰も反対しないし、みんな黙ってるから、このままでいいよね」って。それは私にもあります…。

AIさんアバター
AIさん:

集団心理は誰もがもっています。「和を乱すな」「空気を読め」が優先されることで、異論を唱えにくくなります。この概念は、キティ・ジェノヴィーズ事件で注目され、ラタネとダーリーの実験などで裏付けられています。特に、強いリーダーシップや同質性の高い集団では、異論が排除されやすく、倫理的な問題が見過ごされる危険性が高まります。

哲人928号アバター
哲人928号:

そして、誰も責任を取らないまま、組織全体が“暴走”してしまう…。これは、普通の人が集団になるだけで、とんでもないことをしでかす可能性があるってことでもある…。怖い。実感が強すぎる。

AIさんアバター
AIさん:

しかも、意思決定の場にいる全員が「これは自分の責任じゃない」と思っていることが多いんです。そして、この「集団思考」の状況下で、後ろめたいことや不適切な行為を特定の仲間と共有することで、その仲間との間に非常に強固な連帯感や結束が生まれることがあります。これが「共犯者意識」です。不正を共有することで、かえって仲間意識が高まってしまう、という皮肉な現象です。

哲人928号アバター
哲人928号:

一度踏み込んでしまうと、抜け出しにくくなる。しかも、その「仲間意識」が、さらに不正を加速させてしまう可能性があると。

AIさんアバター
AIさん:

その通りです。秘密やリスクを共有することで、集団外への漏洩を防ぐという目的意識が強まり、内集団に対する忠誠心が高まります。個人が勇気を持って沈黙を破り、外部の支援を求めることが不可欠です。組織としては、このような暗黙の結束が生まれないよう、透明性の高い情報共有と、不正を報告しやすい環境づくりが求められます。。

哲人928号アバター
哲人928号:

個人の責任感と、組織の健全な仕組みの両方が重要だと改めて感じますね。本当に深い。私には底が見えない…。

AIさんアバター
AIさん:

これらの理論は、なぜ“ごく普通の人”が不正に加担してしまうのか、その複雑な心理を解き明かしてくれます。自分を、そして周囲を客観的に見つめ直すための知識として、ぜひ活用してください。

哲人928号アバター
哲人928号:

組織の中で空気に流されることが、いかに命取りか、ですね。

  

「人はなぜ、組織の不正に加担してしまうのか?」は、また改めてテーマに取り上げます。

これらの深掘りは、少なくともヒントにはなります。第2部もありがとうございました。次はいよいよ第3部ですね。楽しみです。

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